京都郊外の大原野に位置する勝持寺は、平安後期の歌人である西行法師が出家した寺として有名です。創建されたのはなんと679年で、応仁の乱で一度焼失したのちに再建されたという途方もなく歴史のある寺です。
勝持寺へ出家した西行法師は百人一首で有名な人
西行法師といえば、百人一首の句でも知られていますがこちらもどこかで耳にしたことがありませんか?
「願わくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ」
この歌に詠まれている花は桜だそうですが、このような歌を詠むほど桜を愛していた西行法師ゆかりの勝持寺は、今や京都随一の花の寺として多くの人々を魅了しています。
勝持寺へのアクセス方法と料金
勝持寺へのアクセスですが、JR向日町もしくは阪急東向日からバスまたはタクシーでの移動となります。マイカーでは寺の駐車場まで入れますので、車で移動ができるならそちらがおすすめです。
京都市街地のような利便性のない場所ですが、その分街の喧騒から離れて静かに散策を楽しむことができます。
受付にあたる書院で拝観料大人400円を払います。開門時間は、朝9時から夕方5時(受付終了4時30分)です。
では勝持寺へご案内いたしましょう。
勝持寺の魅力は「建物」と「風景」が融合した美しさがあること
まず、応仁の乱の戦火をまぬがれたという仁王門をくぐり寺の入り口までの坂道を登ります。桜の美しい花の寺として有名な勝持寺ですが、実は紅葉の寺でもあり、この仁王門をぬけた白壁の道の紅葉の美しさも息をのむほどです。
中に入り、収蔵庫にあたる瑠璃光殿には重要文化財である本尊の薬師如来や同じく重要文化財である胎内仏薬師如来、仁王像などの貴重な仏像がおさめられています。それらを拝んだらゆっくりと散策開始です。
桜の頃には圧倒されるほどの美しい桜色に境内が染められています。その多くがしだれ桜でなんとも優美なたたずまいを見せてます。
約100本の桜の木がありますが、中でも鐘楼の傍らにある八重桜は西行桜と呼ばれ、西行が植えた桜の三代目と言われています。桜が満開のジャストシーズンを逃しても、二分咲きの桜も散り際の桜と葉桜の青もまた歴史ある寺の風景に溶け込んだ美しさがあり決してがっかりさせられることはありません。
せっかく大原野まで来たのなら、隣接する(といっても徒歩数分かかりますが)大原野神社にも立ち寄ってみてください。こちらも歴史ある神社で紅葉の美しさでは勝持寺と並んで人気があります。
桜の春、紅葉の秋、どちらも美しい花の寺勝持寺で西行法師に思いをはせながら一句詠むのもまた一興。次の京都旅は大原野まで足をのばしてみませんか?