みなさんは「京都」と聞いて思い浮かべるのは何でしょうか。京都といえば、お寺と思う方も多いと思います。
そして、京都のお寺と言えば五重塔を有するお寺も多く、ガイドブックや絵はがきに登場して、古き良き古都の雰囲気に一層深みを持たせてくれます。今回は京都に存在する五重塔の魅力と簡単な概要について解説いたします。
法観寺の五重塔の魅力とは?
まず、はじめに京都市東山区「法観寺」の五重塔です。こちらの五重塔は「八坂の塔」の別名で親しまれており、古い商店の並んだ小道からそびえる五重塔の写真を一度は見たことがあると思います。
いかにも京都らしい風景で、心が安らぎます。
五重塔は国の重要文化財に指定されています。また五重塔内部は一般に公開されており、二層目まで登ることができます。
ちなみに、この塔を有する法観寺は伝承によると592年創建の歴史の長いお寺です。あの有名な聖徳太子の夢の中に観音様が現れたことにより建立されたそうです。
世界文化遺産に登録された仁和寺の五重塔
次にご紹介するのは、京都市南区「仁和寺」の五重塔です。こちらの塔は、寺全体も含めてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
仁和寺は仁和2年(886年)の平安時代に創建された寺院で創建当時も五十塔が建てられていましたが、度重なる火災で焼失してしまい、創建時の五重塔は残っていません。
現在の五重塔は寛永14(1637年)の江戸時代に再建されたものです。仁和寺の五重塔は塔の周辺が庭園のように整備されており、秋にかけては紅葉と五重塔のコラボレーションを楽しむことができます。
木造の塔で日本一の高さを誇る東寺の五重塔
次に紹介するのは、京都市南区「東寺」の五重塔です。この五重塔は塔の高さが54.8メートルで、木造の塔としては日本一の高さを誇ります。
京都駅に到着する東海道新幹線の車窓からも塔の姿を望むことができ、まさに京都の顔といえる五重塔です。東寺の五重塔は寛永21年(1644年)の江戸時代に建立で、先ほどの仁和寺の五重塔と建立年代が近いため、似ている特長を持っています。
2つの五重塔を見比べて見るのもおもしろいでしょう。
京都で最も歴史がある醍醐寺の五重塔
最後の塔は京都市伏見区「醍醐寺」の五重塔です。この塔は天暦5年(951年)の平安時代に創建されており、京都市の五重塔の中で最も建立年代が古い五重塔になります。京都中を荒廃させた応仁の乱などでも生き残った、なんとも奇跡的な五重塔です。杉林の中に凛と建つ五重塔からは、何か見えない力を感じます。
いかがでしたか。京都の五重塔はそれぞれ個性があり、歴史があります。京都観光の際には、ぜひ五重塔に注目して見てはどうでしょうか。